顎関節に関しては、特に得意としていないですが顎関節の痛みなどの症状の方には時々出会います。
いわゆる”顎関節症”です。
「顎関節症は,顎関節や咀嚼筋の疼痛,顎関節雑音,開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする障害の包括的診断名である。」(顎関節症治療の指針2020より引用)
痛みが主な訴えになることが多く、関節の痛みや筋肉の痛みが最も多いように感じます。
そして、
「顎関節症の病因 顎関節症の発症メカニズムは不明なことが多い。」
(顎関節症治療の指針2020より引用)
とされながらも、考えられうる原因を要約すると
・筋肉の緊張(ストレスによる)
・関節や筋肉の酷使(歯ぎしりや食いしばりによる)
となる。
顎関節・筋肉の痛みを解除するとしたら、その原因となるものを排除するというのが基本でしょう。
顎関節の痛みでこられた中で印象に残る方がいました。
パチンコ店勤務の女性です。
・持ち場が異常に寒くて、いつも凍えている。
・お客様とのトラブル
・従業員間のトラブル
・取り合ってくれない上司
こちらが黙って聞いていると、この話はいつ終わるのか?と思うほど、次々と訴えが溢れ出してくる。
こんなやり取りを数回繰り返しているうちに、僕はある提案をしました。
「その職場を辞めてみたらどうですか?」
仕事を辞めると収入がなくなるのは、致し方ないが、職を変えれば、それは一時的なもので済むでしょう。職場の環境で良いことは一つも無さそうですし、留まらなければいけない相当な理由がなければ他に仕事を求めてもよいはずです。
次に会った彼女は仕事を辞めていました。
そうしたら、顎の痛みはすっかり無くなったとのこと。
「顎関節症は,う蝕,歯周病にならぶ第三の歯科疾患ともいわれ,学校歯科検診にも取
り入れられている」(顎関節帳治療の指針2020より引用)
こうやって病気の増加の危機感を煽るのは、高血圧・脂質異常・糖尿病etcが増えています!と訴える構図にかなり似ていて、あまり好きじゃないです。
とはいえ、ストレスによる顎の痛みには
”ストレスの対処やストレスの排除”
がまず必要なわけです。
だとするならば、
学校歯科検診の取り入れて
歯科医院を受診し
はたしてストレスの対処ができるようになるのか?
ということならなければ、根本的な解決にはなりません。
後日談ですが、彼女はどういう理由か、元の職場に復帰しました。
そして、また顎が痛むとのことです。
どうやら、根本的な問題は
彼女の自身の内面の深いところにあるでしょう。
歯科医師でなくても顎の痛みに対処できるかもしれません。
いやむしろ、こういった場合は、歯科医師でない方がいいかもしれません。