神経(を取る)の治療を根管治療(こんかんちりょう)と言ったり、エンド(Endodonticsの略)と言ったりします。
卒業して、最初に苦労しながら数多く経験するのはエンド
若葉マークの後輩に最初に聞かれるのもエンド
どうも根管治療は自分も含め、誰でも最初に苦労する領域らしいです。
だから、駆け出しの頃はエンドの勉強はかなりやりました。
写真にあるように、
神経のあったところを経由して、根尖(歯の根の先)に感染が波及し、病変を形成する。
もう一度、神経の取った経路をキレイに仕上げ、感染源を除去すれば、写真の右のように病変は縮小して、治癒する。
根管治療はこれを達成するための治療です。
こうやって改めて考えてみると、割と単純な治療ではありますが、最初はなかなか上手に出来ない。
なぜか
・真っ暗の中を盲目的にやる
・失敗するかもしれないという恐怖
・時間に追われる
こういうことは経験を積めば、ある程度克服できるようになります。
しかしながら、根管治療でもっと大事なことは、
・治療中に唾液が入らないようにラバーダム防湿を行う
・神経のあった経路の古い充填物を完全に除去
・歯の根の尖端まで器具を正確に通す
・神経の経路は曲がっているため、曲がった状態のまま形を整える
・キレイに洗浄・消毒を行う
・最後は緊密に充填する
です。
だいたい上手くいかない症例は、これらのどれかが抜けていたり、複数箇所抜けていたり、最悪全部達成できていなかったりします。
逆に達成すると、治療が上手くいく確率がぐっと上がる。
来る日も来る日も根管治療のやり直しをやり続けて、
やり直しが必要なほど、最初に手をつけた時に、いかにいい加減だったか
と思わされます。
長い目で見た時に、最初の一手に時間と労力をかけれらるかどうかで、将来はかなり左右されるでしょう。
そう言えば、
ビックデータによれば
症状はないけれど
根尖病変保有率が高い
というのが日本の現状のようです。
いつか再発する病変をもっている人が多い。
やり直しが多いのもうなずけます。
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