2022年12月26日月曜日

虫歯の種2

 先日、学会参加(といってもオンライン参加)して、久しぶりに面白いデータに出会いました。


ビックデータを活用して、日本国内の傾向を広く探り、対策を考える


という動きが加速しているように感じます。


そんな中で、ビックデータを活用した日本国内の虫歯の動向が面白かった。


・幼少期や小児期は虫歯は減った。

・成人は過去と比較して虫歯は減っていない(!)

・高齢者の虫歯は増える(!!)


ビックデータを見ている限り、虫歯はどうも減っていないようです。

特に高齢者で虫歯が増えているのが興味深い。


高齢者で虫歯が多発する症例に時折出会うことは確かです。


その主な原因は【唾液の減少】です。


虫歯の原因菌が酸を作ることによって、歯が溶けだす


これを放置すると虫歯として進行するはずが


【唾液】によって酸を中和(緩衝とも言う)するので


結果として虫歯にならないような防御となっている


ですので、唾液が減るというのは死活問題でもあります。加齢による唾液の減少は、ある程度致し方ありません。


加齢以外で唾液ががつんと減る要因は、【薬剤】でしょう。

ありとあらゆる薬剤を集めたとすると、およそ8割は唾液を減少させると言われています。


高齢になればなるほど、内服薬が増え、内服を継続することが増える

薬剤が増えれば、唾液も減り、虫歯も増える


こんな気がしてなりません。


手術を受けた、抗癌剤治療を受けた、内科的な疾患のコントロールが悪い、新たに内服薬が増えた

などなど


こういうことをきっかけに虫歯の数が増える

かなりこういう場面に出くわします。


この状況下で、間食に甘いものが増えると、虫歯の数の増え方が加速する。


どうもこういうことが考えられなくもないのに、

高齢者にフッ素塗布!!

ブラッシング指導でより丁寧にブラッシングを!!

とやる。



意味がないとは言い切れないですけど、

唾液の量が減らないように

むしろ、唾液の量が適切に増加するように

した方が、予防になるのではないかと考えさせられます。


フッ素塗布もブラッシングも、ずっと前からやっている。

これからの虫歯予防はもっと他のことにフォーカスする必要があると思っています。




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