先日、学会参加(といってもオンライン参加)して、久しぶりに面白いデータに出会いました。
ビックデータを活用して、日本国内の傾向を広く探り、対策を考える
という動きが加速しているように感じます。
そんな中で、ビックデータを活用した日本国内の虫歯の動向が面白かった。
・幼少期や小児期は虫歯は減った。
・成人は過去と比較して虫歯は減っていない(!)
・高齢者の虫歯は増える(!!)
ビックデータを見ている限り、虫歯はどうも減っていないようです。
特に高齢者で虫歯が増えているのが興味深い。
高齢者で虫歯が多発する症例に時折出会うことは確かです。
その主な原因は【唾液の減少】です。
虫歯の原因菌が酸を作ることによって、歯が溶けだす
これを放置すると虫歯として進行するはずが
【唾液】によって酸を中和(緩衝とも言う)するので
結果として虫歯にならないような防御となっている
ですので、唾液が減るというのは死活問題でもあります。加齢による唾液の減少は、ある程度致し方ありません。
加齢以外で唾液ががつんと減る要因は、【薬剤】でしょう。
ありとあらゆる薬剤を集めたとすると、およそ8割は唾液を減少させると言われています。
高齢になればなるほど、内服薬が増え、内服を継続することが増える
薬剤が増えれば、唾液も減り、虫歯も増える
こんな気がしてなりません。
手術を受けた、抗癌剤治療を受けた、内科的な疾患のコントロールが悪い、新たに内服薬が増えた
などなど
こういうことをきっかけに虫歯の数が増える
かなりこういう場面に出くわします。
この状況下で、間食に甘いものが増えると、虫歯の数の増え方が加速する。
どうもこういうことが考えられなくもないのに、
高齢者にフッ素塗布!!
ブラッシング指導でより丁寧にブラッシングを!!
とやる。
意味がないとは言い切れないですけど、
唾液の量が減らないように
むしろ、唾液の量が適切に増加するように
した方が、予防になるのではないかと考えさせられます。
フッ素塗布もブラッシングも、ずっと前からやっている。
これからの虫歯予防はもっと他のことにフォーカスする必要があると思っています。
0 件のコメント:
コメントを投稿