2022年12月20日火曜日

目を凝らしても、たぶん見えない


 

神経の治療、神経をとる治療を根管治療と言います。

また、これらをもう一度やり直すときは再根管治療と言います。


神経の治療をし、被せて歯の形になったものの

「噛んだ時の違和感がなくならない」


ということで、担当させてもらいました。

(正確に言うと、他からまわってきたという表現が正しい)


そんなに性能は高くなくても、顕微鏡があるだけで、何かが見えるかもしれない。

この当時、しきりに第4根管のことがよく言われていました。


・神経が通っている管(根管)は3つじゃなくて、4つ目もあるんだよ

・これは肉眼では見つけられないよ


どの講演会でも学会レベルでもよく耳にしました。


担当させてもらった時に、すぐにわかりました。

(たぶん)第4根管を触ってない。


丁寧に前処置をして、治療上除去が必要なところは除去して、


レンズを通して、探っていく。


あった・・・第4根管


予想通り、まったく手つかずの状態。


第4根管は見えない、細い、器具が入らないと随分と苦戦を強いられる。

それでもなんとか仕上げられました。


今は、こんな同じようなケースでも、それに適したマテリアルや器具が増えて、より治療がやりやすく、正確になってきています。


後日談ですが、この治療後にもとの担当にもどりしたが、違和感もなくなり、噛めるようになったと聞きました。


そして、玄関で深々とお礼してお帰りになったのだとか。


アシスタントについてくれた学生さん(今は立派になられています)は、隣で座りながら居眠りしてるし、術者はずっと顕微鏡覗いているし、周りの視線はちょっと痛いし、器具がなさすぎて改造が必要だったし・・・と僕にとっては違う意味で思い出深いケースです。



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