2022年12月14日水曜日

アマルガムの下に虫歯少し


  アマルガムというのは水銀(無機水銀)を含み、歯にボソボソの粉状のものを少しずつ詰めていきながら、固めるという充填方法です。

公害でも問題になるのは有機水銀なので、全く同じかと言えば、違いますが、水銀は水銀。

しかも、取り扱いが面倒で、万が一こぼした時はやっかいです。


 いろいろな諸事情があり、現在アマルガム充填をしているところはほぼないでしょう。

 僕も実際にやったことがあるのは1回だけです。

 見た目はご覧のように、【銀の詰め物】です。

 アマルガム充填で思い出されるのは、実は「虫歯の再発が少ない材料」ということです。

 最近はアマルガム充填がとれたら、歯と同じような色の充填物に変えるのが主流でしょう。とれていなくても、あえて削り取って置き換えることもあります。

 そこでよく観察してみると、アマルガムがとれても、アマルガムをあえて削り取っても、そこには虫歯らしい虫歯がないってことがよくあります。

 本来、材料に求められるのは見た目もさることながら、耐久性や再発しないような性能が求められます。

見た目を除けば、アマルガムは材料として、かなり優秀でしょう。
(適当に詰めた材料の方がよほど虫歯が再発しやすい・・・・)


 削りとってしまえば、また銀色にするのもナンセンスです。
見た目も耐久性も再発予防も一度に達成できるように、きっちり充填していきます。

 接着材がもっとも嫌うのは、水分や湿気です。
それを達成するのがラバーダム防湿。僕は免許とってから、ラバーダム防湿なしで充填したケースがほとんどないので、やらない方が落ち着かない。

 材料の特性を知れば知るほど、ラバーダムなしで充填するのは、ちょっと恐ろしい。

 ところで、鏡に向かって息を吹きかけると曇ります。

呼吸によって口の中は常に湿度の高い空気が入れ替わっています。

〈曇った鏡に接着剤〉

きちんと接着させようと思うと、やはり水分は邪魔以外のなにものでもない。



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