感染対策はいつも気をつけなければいけないことだし、スタンダードプレコーションという名のもとに、どんな方がいらっしゃっても常に意味のある感染対策を普通にやる(いわゆるスタンダード)ということを学生の時から、耳にタコが出来るほど言われてきた。
器具の滅菌や繰り返し使わないための使い捨て(ディスポ)を取り入れるといったこともさることながら、やはり歯科では手で触ったもものを清拭するという行為が多いような気がします。
そして、手洗いも。
某大学に勤務していた時に、自分は割とこまめに手洗いするのが習慣化されていたので、しょっちゅう手洗いしていました。その行為を見ていた看護師さんが、「先生、手洗いちゃんとしてえらいね!」みたいなことをおっしゃった。
いや、ちょっと待て。
逆に言うと、手洗いしていない人がそんなに多いのか?とどうしても邪推してしまう。
そして、医療従事者は基本的にマスクを着用するのが割と普通になった。
特に歯科業界においては、施術中に息がかからないように、術者が話している時に唾が飛ばないようにというのが当初の趣旨で、
たとえ不織布マスクであってもウイルスや細菌にとっては
自動車道のトンネルを人が通るようなもの
公園にある金網をハエが通るようなもの
といった表現で、微生物感染には意味はないと言われてきた。
ところがどうでしょう。
昨今のコロナの空騒ぎで、マスクがいつの間にかウイルス感染を防止するデバイスに成長してしまいました。
世の中が一気にマスク社会へと変化していく最中、はたしてマスクにそこまで効果があるのかということに、自分は、かなり疑問をもっていた方の人間です。
ところが、蓋を開けてみたらどうでしょう。
マスク着用の義務化をした都市と着用の義務がないところ都市で、感染者の数が変わらないという結果や、むしろ着用率が高いところの方が感染者数が多いという結果もあります。
色々な考えや思想・信条はあるものの、世界的にはマスクはOFFする方向に進みつつ、マスク着用率が異常に高い日本において、感染者数が週あたり世界一を記録してしまうというのはどういうことか。しかも、複数週で。
マスクが感染者数を抑え込むことができなかった
ということは、火を見るより明らか。
ここは一旦基本に立ち返って、必要な感染対策は従前のスタンダードプレコーションに従い、診療中の術者はマスク着用、その他はマスク着用の意義はないと考えるべき。
これからどうやって計画していくのか?
どのような選択肢があるのか?
どの選択肢がベストチョイスなのか?
ということをお互いに話し合いながら決めていく過程において対話はとても重要です。
会話の内容はもとより、微妙なニュアンスを身振り手振りだけでなく、表情の変化で伝えることも多いし、伝えるためのツールは言葉だけではないはず。
診療中、治療中はさすがにマスクはしますけど、それ以外は素顔でカウンセリング
もちろん患者さんにマスク着用は強要しないし、むしろOFFしたらいかがですか?
と言えるような雰囲気でやっていきたいです。